外房を活性化する各ジャンルのプロが登場!
インタビュー&コラム
角谷 啓男さん (陶芸教室「備前」講師)
【インタビュー】
角谷 啓男さん
いすみ市の
穴窯 陶芸教室 「備前」講師
陶芸家 カドヤ フミオ さん
平安以来の長い歴史を持つ備前焼に、外房の陶芸教室「備前」で触れることができます。講師の角谷さんに陶芸の魅力を聞きました。


陶芸を始めたきっかけは何ですか。
子供のころから自分の手でものを作ることが好きでした。高校時代に、特殊メイクか美容師を目指そうとしましたが、大学に進学したほうがより選択肢が広がると考え、芸術大学に入学しました。
自分の手で、最初から最後まで作り上げる芸術に関係したかったというのもあり、南部鉄器に代表される鋳金か、陶芸のいずれかを選択する段階になったとき、両者ともにすべて自分の手で作り上げるという希望にはかなっていましたが、最後は陶芸を志し、現在に至っています。
理由は、鋳金の場合、自分がイメージする形が100%に近いかたちで実現されますが、一方、陶芸の場合、土の性質、温度など様々な外的な要因によって当初の完成イメージと出来上がるものは異なる場合が多いからです。
焼き上げると形が水分が飛び縮んで形が違って出来上るし、また、大きいものは割れたり失敗しやすい。その不自由さが陶芸の最大の魅力であり、陶芸を選択した大きな理由だと考えます。

日本や海外の陶芸事情を教えてください。
アメリカなどでは、陶芸はアートの一部として成立していますが、日本では「茶文化」の影響を強く受けており、美術品という側面とともに、実用的な工芸品として利用もされています。そのため海外では、日本のような陶芸作家という専門職で生計をたてることはきわめてまれであり、通常は美術教授として陶芸を教えながら作品を作っているのが主流です。
現在は主にどのような作品はつくっているのですか。
茶碗や皿などの実用的な陶芸品と、オブジェとしての置物を、現在は50%・50%の割合で創作しています。
実用的な陶芸品は、それぞれ形は個々違うものの、皿や茶碗など機能や形の上で大まかな決まりごとがありますが、オブジェなどのアートとしての陶芸にはそのような制約はありません。
ですから、アートとしての陶芸ばかりやっていると、決まりごとのない創作のため繊細な技術が身につかず、創作の幅が長い目で見ると狭まっていきます。
ただ一方で、実用的なものばかりを作っていると、創造性が伸ばせなくなります。
いま、実用的な皿や茶碗などの作品を作り、同時に制約のないアートとしての陶芸を半々でやっているのには、そのような理由があります。
夏には備前の土を使い、4日〜5日かけて穴窯を焚きます。冬には土鍋づくりもあります。自然に囲まれ、作陶することでとても充実した豊かな気持ちになりますよ。
みなさまも、備前では陶芸教室も実施しています。初心者から経験者まで楽しく制作できます。
初めての方には、体験教室もありますので、詳しくはホームページでご確認ください。
備前ホームページ:http://www.bizen.gr.jp/bizen02/index.html
(聞き手:『nabana通信』編集部)
■プロフィール
角谷 啓男(かどや・ふみお)
1980年 北海道帯広生まれ
2001年 東京芸術大学工芸科入学
2007年 東京芸術大学美術研究科修士課程
工芸専攻陶芸修了
2007年 サロン・ド・プランタン賞受賞
