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インタビュー&コラム

外房人物館

鈴木 直美さん (ピアニスト・講師)

【インタビュー2】


表現力に優れたピアニストであり
一流の指導者としても活躍中!

鈴木 直美さん

スズキピアノスクール
ピアニスト・講師
スズキ ナオミさん

クラシック音楽界で優れた演奏家・指導者として活躍中の鈴木さん。海外と日本の音楽事情を中心に、お話をうかがいました。

鈴木直美さん

インタビュー2


日本とアメリカのクラシック音楽界には、大きな違いがある
-日米クラシック音楽比較考-

国立音楽大学器楽部ピアノ専攻を卒業されて、米国イースタンミシガン州立大学では修士号を、ルイジアナ州立大学では音楽芸術博士号を取得されたということですが、アメリカ留学を決意された背景に、何か理由があったのでしょうか。

ピアノニスト・講師 鈴木直美さん

中学高校と、音楽科がある学校に通っていましたので、そのまま音大に進学いたしました。
当時、日本はバブル期のとても景気がよい時代でした。
男性はイタリアスーツに身をつつみ、女子大生たちは「ワンレン・ボディコン」でディスコへ通っていた時代です。学生がとてもチヤホヤされていました。そのような状況の中、私も、四年間、うかれて過ごしていた記憶があります。(笑)

卒業後、子供たちにピアノを教えはじめたわけですが、まったく子供たちが言うことを聞いてくれないんですね。
指導者として、子供にピアノを教えることができなかったんです。一緒になって泣きたい気持ちでした。その当時の私には、子供を説得しピアノを上達させるだけの人格がそなわっていなかったと思います。
そこで他に何かできることはないかなぁと、ほぼ逃げる状態で、アメリカへ留学したというのが、本当のところですね。


アメリカでの生活はどのようなものでしたか。

アメリカという国は、努力すれば、だめな人にでもチャンスがめぐってくるんです。それをつかめるかは、その人次第になりますが。

日本の大学の場合、入学するのは大変だけど、卒業するのは簡単でしょ。だらだらと生活していても、卒業はできますよね。
アメリカの学生は、平日はきちんと勉強しています。目標を定めて、一生懸命に、それにむかって努力しなければなりません。

ある日、教会の礼拝後に1時間ぐらいのコンサートをやらないかという依頼をいただきました。
簡単に1時間といいますけど、当時の私は、1時間ずっと曲を弾き続けられるほど、レパートリーを持っていませんでした。やるだけやろうと決意しまして、それからは毎日10時間、ピアノの前で練習しました。
多くの曲を覚えてなければなりませんので、弾きながら暗譜していくみたいな、それだけ激しく練習に没頭していました。

そうやって練習を積み重ねることで、素晴らしい人との出会いがあったり、演奏会のお話をいただいたり、次第に音楽活動の場が広がっていきました。

子供の頃は、とても器用だったので、試験など要領よくパスできるほうでした。でも、レベルの高い世界で、しかも能力の高い演奏者と競い合う場合、器用なだけでは通用しないんですね。自分の力の足りなさを痛感いたしました。
あわてて必死に練習しましたよ。時間さえあれば、ピアノを弾いていました。


アメリカと日本では、指導の方法は違いますか。

どちらが良いか悪いかは別として、違いはありますよ。
クラシック音楽をテーマとした『のだめカンタービレ』という漫画があります。最近ドラマ化もされたようですが、主人公がピアノを教わっているシーンがあります。先生がとても厳しく、叱りながらレッスンを行います。日本では、そのような指導が一般的だと思います。

反対に、アメリカで出会った先生は、褒めるのが上手なんです。
もちろん、リップサービスだとは思いますが、「君のピアノは素晴らしい」って褒めながら、指導します。誰に対しても、同じことを言ってることにあとで気づきますが(笑)、それでもうれしくなって、すすんで練習してしまいますよね。褒めて育てるという感覚は、日本のクラシック界にはなかったと思います。
私自身、その指導法の違いには驚きました。


他にも、アメリカと日本でのクラシック界での違いはございますでしょうか。

日本でコンサートするときは、お金がかかります。パンフレットやチラシを作ったり、演奏会場にも使用料を支払ったりと、出費がすごいんですよ。日本では、ピアノを演奏する場合、お金を払って弾かせてもらうという習慣があります。

一方、アメリカでは、教会やパーティーなどに呼ばれて、ピアノを弾かせてもらえる機会が与えられます。
かつて、ランチパーティーでピアノを演奏し、謝礼として100ドル札をいただいたときは、とっても感激しました。ピアノを演奏したら、お金がいただけるという感覚を初めて体験したんです。アメリカでは、演奏者に資金がなくても、弾く場所は提供されるんですね。そこは、大きな違いだと思いました。


日本人がクラシック音楽という特殊な世界で活躍するのは、大変なことだと思いますが、日本人とって不利な点というのはございますか。

ピアノニスト・講師 鈴木直美さん

体力的な違いがありますね。体が大きなロシア人も、私のように体が小さな日本人も、同じピアノを使います。
ピアノは弦楽器に属しますが、打楽器と似ているところがあって、体重があれば、大きな音が出ます。
体力的な音の大きさの違いは、表現の違いとなってあらわれますので、その意味で、体が小さな日本人は、不利な状態にあると思います。


リズムのとり方に、西洋人と日本人は違いがありますか。

確かに、以前はリズムのとり方に大きな違いがありました。
たとえば、日本では民謡などに代表されるように、同じ間隔でリズムをとりますよね。

一方、シンコペーションといって、一定の間隔に強弱をあたえたり、その間隔自体も変化させるようなリズムのとり方があります。これは、クラシック音楽の中でも使われていまして、日本人はこのリズムをなかなか上手に表現できないと言われた時代もありました。

でも、今は違いますね。黒人の演歌歌手もいますし、韓国人だって、日本人と同じように発音し歌っていますよね。反対も同じことが言えます。日本人だから、リズムがとれないという時代は過去のことだと思います。


インタビュー1

インタビュー3


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